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高血圧とは?
血圧とは “血液が血管を押し出す圧力” のことです。血圧が高くなると血管の負担が強くなり、
動脈硬化が促進して “心筋梗塞”、“脳梗塞”、“脳出血”、“心不全”、“腎不全” が起こりやすく
なります。
心臓が収縮するときに血管に最も強い圧力がかかります。このときの血圧を“収縮期血圧”
(上の血圧、最高血圧)と言います。逆に心臓が拡張したときは血圧が最も低くなります。
これを“拡張期血圧”(下の血圧、最低血圧)と言います。通常の血圧でも血管にかかる圧力は
なかなか大きいものです。カフ(血圧測定のときに腕に巻くもの)に空気を少し入れて
握らせてもらうとその圧が実感できます。
血圧の測定が始まったのはそれほど昔ではありません。
上腕カフが発明されたのが1886年、聴診器で音を聞いて判定する方法が発表されたのが
1905年です。血圧が測定されて初めて高血圧という病気が診断されるわけですから、
高血圧症の歴史はわずか100年程度です。今は誰でも簡単に血圧が測れる時代です。
血圧は常に変動しています。
血圧の高い時間が長くなるほど動脈硬化が強くなります。“普段の血圧、いつもの血圧”が
大切です。診療所・病院にいるときだけ血圧が高い場合は“白衣高血圧”と呼ばれ、動脈
硬化はそれほど強くなりません。逆に普段の血圧は高いのに診療所の血圧が低い“仮面
高血圧”は動脈硬化が強くなります。普段の血圧を知るには、自分で血圧を測るのが一番
です。
血圧計をこれから購入される場合は、精度の高い“上腕型血圧計”が良いでしょう。
“朝起きて1時間以内、トイレに行って食事前”がお勧めの時間帯です。
この時間帯は血圧が上がりやすく、脳卒中や心筋梗塞が起こりやすい時間帯です。
寝る前にもう一度血圧を測るのも良いでしょう。
運動後や飲酒直後、入浴後は血管が拡がって血圧が低くなります。
普段の血圧を示しませんので、この時間帯を避けて血圧を測定します (注:飲酒直後は
血圧が下がりますが、夜間に血圧が上昇して不整脈も起こりやすくなります)。
一般的な血圧コントロールは診療所や病院では140/90mmHg未満、自宅では135/85mmHg
未満を目指します。糖尿病がある人は目標を“130/80mmHg未満”にします。
65-74歳では140/90mmHg未満、75歳以上の方は150/90mmHg未満に目標を緩めて下さい。
(厳しい目標はそこから慎重に行います)
塩分の摂りすぎ、ストレス、肥満、タバコなどで血圧が上がります。
(1) 血圧が少し高めの方は、自分の生活を見直してみましょう。
(2) 軽い運動も血圧を安定させる効果があります。
(3) それでも血圧が高めの場合、お薬を考えましょう。
なお血圧を下げる薬は数種類の薬を合わせて使うことが多いです。
血圧がコントロールできない場合、1種類の薬の量を増やしていくよりも効き目が強くなり、
副作用も少なくなるからです。